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01
from トランクス

 休みの日にすることは色々ある。あるけど、カテゴリは常に「遊び」に分類されることばっかりだ。誰が休みの日まで勉強だの修行だの、面倒くさいことを率 先してやりたがるもんか。そんなのやりたがる人間は変態だ。悟飯さんとか。あの人は立派に変態の部類だと思うんだけど、どうだろう。
 遊ぶためにはまず相手探し。小さい頃からの習慣もあって、最初に向かう先は大方決まっている。
 廊下を爆走して、突き当りに手を付いて曲がる。昔っから衰えることのない勢いのせいで、今じゃここの壁には無数の手形の痕が刻まれている。それこそ壁に 身 長を刻むみたいに、高さを変えて。数が多すぎて手形だと判別できないくらいに。
 何回壊れただろう。開きなれたドアを勢いのまま開け放つ。ノック?何それ。そんな無粋な習慣オレにはないよ。

 「、外遊びに行こうわあああああああ!?」
 空気を切る音と共に、突如目の前に飛来する鋭いもの。慌てて緊急回避。遠くの壁に、硬いものが突き刺さる音がした。ああ、また壁が犠牲になった。穴ボコ だ らけだ、あそこの壁も。
 今日はちょっと頬を掠った。赤い血をぞっとする思いで手の甲で拭き取って、恐る恐る室内を覗き込む。多分毎回攻撃は1回だけだから、もう危険はない、は ず。部屋の主はフェイントとか大好きな人だから断言できないけど。
 「あ、危ないだろ、!」
 「寝起きに食らうお前の一声の方が耳に危ない。今日も元気ね、トランクスくん」
 探し人は怠惰にベッドに寝そべっていた。枕に後ろ頭を付けたまま、凶器を放ったのであろう片腕を上げて、胡乱な眼差しでこちらを見ている。
 あの体勢であの勢いか。恐ろしい。そろそろ緑色の宇宙人とかそれを慕う変態さんとか、に過剰な修行させんの止めてくんないかな。オレの命で成果発表 さ れそうだ。

 「もう昼だぜ?」
 「昨日は夜まで仕事してたんだよ。ニワトリが鳴く瞬間に目ぇ閉じたの。眠いの。下着と遊べるほど、気力回復してないの」
 「じゃあオレ下着じゃないから遊べるよな。なー、遊ぼうぜー」
 「お前可愛くない」
 つれない一言。ふいとオレと反対側を向いて、掛け布団に潜ってしまった。
 「ー?」
 「うるさい。休日ってのは休むためにあるんだ。神さまだって休むんだから、人間が休んで何が悪い。今日は地球なんて見たくない。機械見たくない。パソコ ン 見たくない」
 駄目だこれは。昨日の仕事が相当堪えてるらしい。ずっとパソコンの前に座りっぱなしだったもんな。

 布団を剥ぐのも気が引けて、手持ち無沙汰にベッドの端に腰掛ける。さてどうしようかと思案しながら、ぼんやり部屋を観察した。
 が来た当初は、もっと広い、リビングから近い違う部屋だった。広すぎるからと部屋を変えたのはいつだったっけ。確かにこぢんまりとした部屋は居心地 は いい。
 シンプルなセミダブルのベッド。背の低いテーブル。使いやすそうな、棚の付いたパソコンデスク。そう大きくないタンス。自分には読む気も起こらないよう な 本と漫画が乱立する本棚。母の部屋にあるような化粧台はない。鏡はあるし、申し訳程度に化粧品があるのは知ってるけど。

 そういえば、と思う。最近、姉の部屋が凄く片付いた気がする。
 「、前に部屋にあったトーテムポールは?」
 「・・・どうしろってんだ、あんなもん。捨てたよ」
 すでにまどろんでいたのか少し間があって、何故か言い辛そうな雰囲気で答えが返る。
 確か誕生日のプレゼントだったはずだから、もしかして罪悪感とか感じてるんだろうか。はそういうところ律儀だと思う。別にいいのに、あんなトーテム ポールの一つや二つ、貰って即座に燃やしたって。
 ていうか、だって、悟飯とピッコロの顔が交互に彫られてるポールだぜ。怖いっつーの。誕生日にそんなん渡されたら、呪いだとしか思えないだろ。そう考え る とって律儀っていうか神より心優しすぎる気がする。すげえ。
 ああ、あと。
 「オレのあげた猫の置物も捨てちゃった?確かパソコンの上に置いててくれてたよな」
 「あれは机の引き出しが食べちゃった。おいしかったって言ってたよ」
 ふうん、と満更でもない気持ちで言葉を聞いた。気に入ってくれてるってことだ。トーテムポールと比較するのは胃が痛くなるくらい嫌だけど。

 しばらく黙っていたら、寝息が聞こえてきた。振り向く。布団から少しだけ見えるのは、安らかな寝顔だった。寝姿を見るのは久しぶりかもしれない。最近、 部 屋に入るとは気配で起き出してきていたから。初めて会ったときは、腹の上に乗ってまじまじ見てても起きないくらいに気配に疎かったのに。
 彼女はあのときに比べて段違いに強くなった。立ち回りも変わった。こちらの世界に帰ってきてから、ピッコロたちのあしらい方も前より上手くなった気がす る。
 自慢の姉だ。言わないけど。無意識に学校で話題に出して、いつも友達に羨ましがられてる。それも言わないけど。
 昔はいつか帰ってしまうんだと思うと憂鬱だったけど、今はそんな心配もない。ずっと一緒にいられるわけだ。今更ながら嬉しくなった。自分を見る人がいな い ことを幸運に思いながらニヤける頬をそのままにする。

 こぢんまりとした落ち着く部屋。セミダブルのベッド。テーブル。パソコンデスク。タンス。本棚。化粧台はない。鏡はあるし、申し訳程度に化粧品はあるけ ど。
 片付いた部屋の片隅に置かれた紙袋が、少しだけ浮いていた。 



02
from 

 中天過ぎに起き出してみれば、なぜだか私の傍らにはトランクスが健やかな体で眠っていた。そういえば途中で起こされた気がする。てことはあれからは私の 安眠を妨げることなく共に眠りの淵に堕ちてくれたのか。良い子。
 というわけで、良い気分でトランクスを起こした私は、渋ることもなく奴のお誘いに乗ってやった。何でも新しくオープンしたショッピングモールに行きたい だとか───女子かお前。別にいいけど。

 「おおー、すっげえ!」
 「へえ、思ってた以上だなあ。使えそうで何より」
 宣伝を話半分に来てみれば、中々どうして立派なところだった。ファッションから暮らしまで幅広くといううたい文句は全く嘘じゃない。それこそヤングから シニアまで、ありんこさながらにわらわらと寄って集って流れていく。
 あんまり家から近くはないけど、そういうのは自分たちには関係ないし。難を言うなら、どこに何の店があんのかさっぱりわからんところだ。地図見ろ?この 人ごみでまず地図探すのがウォーリーを超えるレベルだっつう。
 「随分便利になったんだね」
 「ここらはが帰ってから発展したんだよ。がいた頃は」
 「廃れた町だったと思うよ」
 ガンマンの早撃ち決闘シーンに出てくるような凄い廃れ方だった。あれを考えてみると何か勿体ない気もするな。映画村みたいだったのに。
 まあ、活気があるのは良いことだ。もしかしたら先住民が煽りを食らってたり追い出されてたりしたかもしれないが。
 ディスプレイされた服を摘む。
 「でも、あんま好みじゃないのが残念かな」
 今年の色はどピンクだっけ。流行の最先端を狙い過ぎてて、気に入ったものが自分の流行主義の私には合わなさそう。
 「実はオレも。あーあー、折角いいとこ見付けたと思ったんだけどな」
 トランクスはね。実は私の趣味に沿ってるわけだしね。

 そうだねと相槌を打ちながら、視線は見付けた家具屋に固定された。特別洒落ているわけではないが、シックな雰囲気のしっかりとした作りが好みのストライ ク ゾーンに的中する、恐らくはシリーズものなのだろうテーブル、椅子、箪笥。モール入り口からの経路を頭の中で復習して視線を外す。正直方向音痴の自分が正 確に思い出せたかどうかは不明だが、まあわかんなきゃわかんないでいいや。

 「ー、のど渇いた」
 「その辺にオープンカフェとかあんだろ。奢ってやるから探せ」
 お小遣い貰えるようになって自分で金出さなきゃいけなくなった子供って、奢りの二文字にやったら弱い。カッと目を見開いて那須与一に弾かれた矢のごとき 勢 いでモール地図に突進していったトランクスは、すぐに折り返して戻ってきた。
 「ー!あっちの公園で祭りやってるって!」
 「なぜわざわざこの涼風流るる都から出て地獄巡りをせにゃならんのだ」
 「修行よりマシだろー。あっちでカキ氷奢って!あとオレ、スーパーボール掬いしたい。全力でスーパーボール床に叩き付けてどこまで飛ぶか試したい」
 「・・・トラくん、もしかしてストレス溜まってんの?」
 手を引かれるままに歩を進める。まあ一年に何回かしかない機会だし、諦めて付き合おう。

 やはり祭りは祭りということか。人ごみは進めば進むほど密度を増していった。繋いだ手が時々人にラリアットをかますことになるのも、この人口密度では仕 方 のないことだと思う。別に気に食わんヤンキーを狙って当てに行ってるわけじゃないよ。
 ところでこの世界って何を祭ってお祭りしてんだろうね。

 「ッ!」
 「あーはいはい。おっちゃん、2人分ね」
 名前を呼ぶ声が副音声で財布って聞こえる。水に流れる色とりどりの球体に目を奪われたトランクスに薄いモナカを手渡すと、俄然燃え上がって勢いよく手を 水 の中に───。
 「て、おま、ばか」
 ああ!と悲痛な音をのどから漏らして意気消沈する少年に幸あれ。何をどう考えると、ただでさえ水に弱いモナカを垂直に入れるような暴挙が展開されるん だ。
 案の定持ち手からあっさり外れて水に落ちる哀れなモナカ。屋台のおっちゃんのからかいの言葉も届かないくらいには落ち込んだトランクスを尻目に、自分は 自 分のモナカを有効活用することにした。
 もう1回やらせてあげる?なぜ私が2回も奢ってやらにゃいかんのか。
 水の流れとボールの進行を注意深く見守る。一見無造作に入水したモナカに、おっちゃんが勝利の笑みを浮かべた。だが甘い。こんなもんは、受ける衝撃と こっ ちの耐久力を適当に計算してやればある程度取れるもんだ。
 そもそも溶けやすいモナカだから、少量に2回3回と分けて挑むよりは、多くを一度に手に入れたほうが楽だろう。そう踏んで、沈めた器を密集地帯で引き上 げ た。
 中くらいが3つと大きいの1つ。一応モナカは未だ原型を留めていたので、もう一度水に潜らせて更に小さいの2つをゲット。力尽きたモナカよ、ありがと う、 こんなもんだろ。
 「げ、姉ちゃん、慣れてんな」
 「すっげえ!」
 「ふふん、もっと褒めて。ほら、トランクスくん」

 袋に入ったスーパーボールを手渡すと、まだまだ子供らしい笑顔で礼を言われた。満更でもない。
 宣言どおり、トランクスは一つを取り出し思い切り地面に叩き付ける。何それ。破壊衝動なの。サイヤ人の本能なの?跳ね返って天高くに身を任せる色鮮やか な ゴムが、太陽を反射して輝いた。どうでもいいけどゴミ放置するマネは許さんから、後でちゃんと拾って来いよ。
 「あ」
 投げられた4つ目の大きなボールは、衝撃が強すぎて石畳を壊して埋まった。良かった、人がいなくて。生まれたての赤ちゃんの拳ほどの穴は、その辺の土で 埋 めておく。
 「この馬鹿力!」
 「わ、悪い」
 オレンジ色を光に透かす。どこぞの神が創ったナントカボールにそっくりな色のそれ。急に石畳を割ったのがピッコロの陰謀に思えてきた。腹立たしくなっ て、 思い切り腕を振りかぶる。
跳ねた球は、通りすがったカラスがナイスキャッチしてどこかへ運んで行った。

 「あ、オレ、カキ氷食いたい」
 「お前がどっかやったスーパーボール全部見付けられたらな」



03
from 悟飯

 鉄の檻を叩き折るような悲鳴が空気を裂いた。耳慣れたこともあって、特に悲痛そうには聞こえない。
 隕石みたいな勢いで地面にクレーターを造ったは、可哀相な地面に反して擦り傷を作るに留まったらしかった。衝撃波を使った受け身がやたらと上手く なっ てるのは、親愛なる我が師匠とベジータ、そして自分のおかげだろう。修行のたびに叩き落としてるから。
 更に光弾が一発強襲。しかし見事に迎撃され分散させられた力が、を中心に広がり土埃を巻き上げた。追撃に地に降り立っていたピッコロの視界を余さず 奪 う。
 気配を殺した影が走った。男の背後に物音。鉄塊すら真っ二つにする腕が無意識の反応で後ろを薙ぎ払う。だがフェイント。
 足元に衝撃を受けたピッコロが体勢を崩し、足払いを仕掛けたがそのまま伸び上がる。顎を捕らえた掌底に光が篭り。
 「死、ねえええぇぇぇッ!」
 爆発する力。勿論ごときの力で致命傷を負う彼ではないが、痛いものは痛い。至近距離で焼かれた皮膚の痛みと光にやられた目に僅かにふらつき、一歩後 退 した───ところで。
 「!?」
 ざっしゃ!と土を巻き上げて隆起する凶悪な円錐。すんでのところで回避したピッコロが、なぜだか大袈裟なほど顔を引き攣らせて2歩3歩と後退った。

 「あー、おしい」
 「・・・おい」
 ちぇ、とどことなく可愛らしい口の尖らせ方でが拗ねる。実際やったことは凶悪窮まりないけど。さすがの宿敵時代のベジータすら尻尾を巻く容赦のなさ だ けど。
 師が地を這う声で沈黙を切り裂く。
 「貴様・・・これは・・・」
 震える指先が円錐を指し示した。真っ青な顔から察するに、何かトラウマがあるらしい。何だろ。二人の秘密ですか、羨ましい。

 張り切った顔でが笑う。
 「凄いでしょう。1つ押しボタン式、君のハートを安全に仕留めちゃうぞ2号。1号は4ボタン式で非常に使いにくかったから改良してみたんですよ」
 ハートってもしかして心じゃなくて心臓ですか。
 「キャッチフレーズは『股間から脳天まで!脳髄が飛び出るほど衝撃的にガッチリバッチリハートをキャッチ!』」
 もしかしなくても心臓ですか。
 ピッコロがふるふると震えているのを気にも留めず。
 「問題は4段階留め金式じゃなくなったせいで威力がワリ食らったことかな。まあ、用途に必要な最低限には達したし、改良には改悪箇所もあるよね。使い安 さ には変えられないし。やっぱワンタッチが楽でいいよ」
 「き、キサマああああああッ!」
 しみじみと解説を加えるにピッコロが掴み掛かった。
 「もう二度と使わんとかほざいてただろうが!」
 「やだなあ使ってないですよ、1号は。つうかそれいつ聞いた。まさかあんとき起きてたんじゃねぇだろうな?深目にキャッチすんぞ。ピン留めされた昆虫み た いにすんぞ」
 何の話だ、と怒りをぶちまける師匠こそ何の話だろう。仲間外れですか。金色になりますよ。
 首を締めにかかろうとしたピッコロが、新たに突出した凶器に慌てて飛び退く。退いた先にまた突出。避けた先にまたまた突出。
 「なんと量産に成功!」
 「やかましいわッ!」
 「・・・トラッパーの間ではひそかに好評なんですよ?」
 「何てものを広めやがるこの魔族はああああ!」
 あ、今かちんときたっぽい。そりゃピッコロに魔族とか言われたら腹も立つ。途端に満面の笑顔を惜し気なく曝したが、次から次へと装置を作動させた。
 慌てふためき空に逃げることも忘れたピッコロをぼんやりと見て。

 「ねえ、さん。2つくらい質問があるんですけど」
 のこのこ近寄って尋ねる。うふふなあに、と非常に楽しそうな声で質問を許された。
 「何がどう安全なんですか」
 「まず私が安全」
 聞こえていたらしい師が遠くで吠える。ご不満だったらしい。今すぐ危険にしてやるから装置を停止しろとか何とか。
 そんなの言ったって止めるわけないのに、ピッコロさんたら馬鹿だなあ。好き。
 「更に対象はアレ食らっても死なないところが何よりも安全」
 「さん、さっき死ねとか言ってたと思うんですよ」
 「あんなの掛け声だよ」
 視線をから穴ぼこだらけの地面に移した。的確にピッコロとその進行方向を狙って突き出される、槍のような物体。それはレベルの高いランサーが土の下 に 潜んでいるのかと思うくらいには物凄い勢いで。
 「・・・死ぬと思うんですよ」
 「当製品は基本的に宇宙人への使用を想定して製造・販売されております。なお、使用方法を応用した際の責任は負いかねますので予めご了承下さいますよう お 願い申し上げます」
 「ええと、あんまり、その、宇宙人っていないと思うんですけど、その辺どう思われますか?」
 「いやだな、そこら辺にうじゃうじゃいるから、少なくとも私にとっては需要があるじゃない」
 やばい、この人自分たちにも使う気だ。ぞっとして空気を貫き続ける凶器を見る。

 あ、そうだ。
 「でもあんなの僕たち刺さりませんよ」
 鋭いし見た目恐いけど、要するに単なる鉄塊だし。
 「何でピッコロさんあんなに怯えて逃げてるんですか?」
 第二の質問に、ピタリと。ピタリとピッコロの足が止まる。
 岩をも貫きそうな円錐は、だが服を貫き緑色の皮膚に阻まれ、欠けた。当然の結果だ。なんせ自分たちの身体は、ミサイルにだって傷を付けられることのない 鋼 以上の身体なんだから。
 だから不思議でしょうがない。何でピッコロがあんなものから逃げ惑う必要があったんだろう。
 錆付いたロボットの動きでこちらを振り返った彼が、ネジの止まりかけたカラクリ人形の速度で歩を進ませた。一歩ごとに地面が揺れるような錯覚。
 「き・・・さ・・・ま・・・」
 「お帰り愛すべきお馬鹿ピッコロさん」
 ざっしゃ!とピッコロの股を円錐が直撃する。見た目だけは泣きそうになるほど痛い。
 「ばかにしてやがるのかあああああああああああああああ───ッ!」
 「そんなん一目でわかりそうなモンですけどねえ」
 首を前後に振り回されながらも飄々としたは心底馬鹿にした顔で嘲笑った。
 間接を逆に弾いて、力の弱まった方向からするりと抜け出した。さあて、修行終わり終わり。爽やかな声が草原を駆け抜けて、未だ動揺を残す師の怒りにガソ リ ンを注ぐのは多分わざとだろう。光弾を手に掴みかかられて本気で焦るくらいなら自重すればいいのに。

 「そういえばさん、昨日、新しくできたショッピングモールの家具屋さんにいました?」
 暇になってどうでもいいことを尋ねると、一瞬は沈黙した・・・ように思えた。実際はピッコロの凶手を避けるための集中だったかもしれない。判別し辛 い 時間を置いて。
 「いたね」
 「部屋の模様替えでもするんですか」
 それならトランクスやブルマも付いてきて、ああだこうだと口を挟んでいそうなものだけど。
 がなぜだか苦笑を零す。
 「いや、精神と時の部屋にでも引っ越そうかと思ってさ」
 「家賃はキサマの命で許してやろう!」
 殺す気で打ち出される貫き手をは刹那の見切りで避けて、拾い上げた凶器を発動。ピッコロは今度こそ冷や汗を流してオーバーに飛び退いた。だから、何 で。

 円錐を投げ付けて気を逸らしてから、逃げるが勝ちと踵を返す姿を見送り、思う。
 あの人強くなったよなあ。




本 編開始。
混乱を招いてるみたいなので、自分メモもかねてお子様の年齢書いときます
悟飯・・・20歳、トランクス・・・11歳、悟天・・・10歳
だと思う。多分。

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