常世宵闇



 眠れぬのだ、この地に住まう強大な力よ
 憩うが故のこの愚かしき恐怖に、身を委ねるなど出来 よう筈もなく
 ただじっと留まり空を見上げることしか出来ぬ



 眠れぬのだ、我に安らぎを強制する残酷な君よ
 深淵に心を置いたなら、その瞬間にでも我は我でなく なるであろう



 差し伸べられる手を払う行為は酷く消耗し
 彼の者のおもてを見上げればこの身は律動を拒む
 空に溢れた雫の、何と美しきことよ
 円環を滴る声の、何と儚きことよ
 泣くな、我の想いし君よ
 堕つる水の滾りは我の鼓動を戒めるのだ



 手を伸ばすは禁忌と知り得ることなく
 幾度も我に試練を与え続ける君よ
 ともすれば、我は光を食ろうてしまう
 暗き闇の淵に君を引き摺り込んでしまう



 嗚呼、小さき我に慈悲を与う者が在るならば
 其が喩え神と名乗る者で在っても構いはしない
 この腕を捥いで往け
 この脚を斬り落とせ
 この瞳を潰したところで我は汝を許そう



 我をこの地に眠らせておくれ
 胎動する大地に我が四肢を埋めて
 ゆったりと世界を感じる時間をおくれ
 我を我と置いたまま、君を確かめていたいのだ



 願わくば



 日記コメント無し
 タイトルは適当に



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